ナノバブルの不思議な作用

物理的な常識から考えた場合、微小な気泡は不安定な存在です。
微小気泡は、内部の圧力が高く、比表面積も大きいため、ほぼ瞬間的に水中に溶解して消滅します。
ところがナノバブルは極めて小さな気泡であるにもかかわらず長期に安定しています。これはナノバブルが多量のイオン類に包まれているためです。イオンの殻を身にまとうことで内部の気体が抜けないため、長期に安定化させることができました。なお、このイオン類としては水中に含まれる通常のものを利用しています。自然な作用を利用しながら気泡の周囲にイオン類を濃縮させたものです。

現在、2種類のナノバブルが実用化されています。酸素ナノバブルとオゾンナノバブルです。
共に100nm(1/10000mm)以下のサイズであり極めて微細な存在です。酸素ナノバブルは酸素を水に吹き込んで作ります。酸素には生物を元気にする作用があり、有効な効果が次々と明らかになっています。一方、オゾンナノバブルはオゾンガスを水中に吹き込んで作りますが、オゾンの持つ酸化作用により気泡周囲のイオン類は活性化されています。これにより病原菌に対して強い殺菌効果を発揮します。ところで、酸素ナノバブルには2つのタイプがあります。一つは通常タイプ(気泡径が100nm以下)であり、他の一つはこれを逆浸透膜に通して作成したタイプのものです。気泡の大きさは10nm程度と考えられており、塩分をほとんど含みません。また、通常タイプとは多少異なった作用が明らかになりつつあります。

酸素やオゾンのナノバブルには、物理学的にも面白い特徴があることが分かってきました。例えば、強酸などにより刺激を与えるとフリーラジカルを発生させる特徴があり、ナノバブルがエネルギーを持った存在であることを示しています。また、このことは、ナノバブル周囲のイオンの存在形態と合わせて、生理活性効果の作用メカニズムの基礎となっていると考えられます。

このようにナノバブルは摩訶不思議な存在ではありますが、自然な作用を利用して作られたものであり、界面活性剤のような人工的な薬物は利用していません。不思議と思われる作用は我々が今までそのことを気がつかなかったから感じるものであり、実は極めて自然な作用なのかもしれません。また、ナノバブルは素材の一つとして考えることもできます。いろいろな調理法を開発することで、このナノバブルが真に世の中に役立つ技術として確立されていくものと思います。

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